少年とブランコとお団子のお話
こんにちは。心理カウンセラーの掛川恵二です。
今日の夕方、息子の保育園帰りにいつもの公園へ寄り道して、最近夢中になっている砂団子作りをしていた時の出来事です。
お団子用に持参したペットボトルの水はとっくに空になり、暑さと蚊のダブルパンチに白旗を挙げ始めた私。なんとか切り上げようと「あと1つ作ったらね」「長い針が12までね」の問いかけは、「あとちょっと!」の怒りまじりの声にかき消され、肩を落としてベンチに腰を下ろしてひと休み。
斜め前のブランコで1人静かに揺れている10歳くらいの女の子の背中をぼんやり眺めながら、息子とのかけがえのない幸せな時間を味わいつつ、しばし心と体を落ち着かせていました。そして、女の子が漕ぐ足を止めたのを合図に、白砂集め役に戻ろうとポンと膝を叩いたその時です。
額から汗が滲む1人の男の子が女の子の正面に向かって駆け寄ってきたのです。そして、
「去年の移動教室の時、俺のこと好きって言ってくれたの嬉しかった。覚えてる?」
「ん、覚えてない」
「え、、あの時俺のこと好きって言ってくれたじゃん」
「そうだっけ、忘れちゃった」
「そっか、、、まっしかたねーな。俺はおまえのこと好きだ。今でも」
「そうなんだ、ありがとう」
「むこうで一緒に遊ぼうぜ」
「うん」
と、2人で颯爽とグループの輪に戻って行ったのでした。
男の子の澱みのない瞳と、人目をはばからず想いを真っ直ぐに伝える立ち姿、気持ちを切り替えてまたいつもの関係に戻していく清々しさ。
目の前で突然起こった出来事に、胸が熱くなり一瞬時が止まった感覚になりました。
竹を割ったような少年の生き様に、「かっこいい!」と強く心を掴まれた私。挙げかけた白旗を下ろして「さぁ、もういっちょ大きいお団子作るぞ!」と鼓舞して声を張り上げると、満面の笑みで応える息子にまた一つ幸せを積み上げた出来事でした。
すっかり夕暮れになり満足げに帰宅すると、「遅すぎ!泥まみれだし、2人ともすぐお風呂入って!」と妻にドヤされたのは言うまでもありません。。。
それにしても、あの女の子は一体どんな表情をしていたのか。皆さんはどんな想像をしますでしょうか。最後までお読みいただきありがとうございました。
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