うまく言葉が出てこない。私の吃音について。

こんにちは。心理カウンセラーの掛川です。

突然ですが皆さんは「吃音(きつおん)」という症状がある人をご存知でしょうか。実は私がその1人です。

かつては「どもり」という言葉で表されていましたが、差別的なニュアンスを含んでいるため近年では「吃音症」と呼ばれるようになり、言葉が滑らかに出てこない状態のことを指します。

具体的な症状としては
・連発(音の繰り返し)、例として「こんにちは」を「こ、こ、ここんにちは」
・伸発(音の引き伸ばし)、例として「ありがとう」を「あーーー、あーりがとう」
・難発(音の詰まり)、例として「お疲れさま」を「…、…、お疲れさま」
の3つに大きく分類されています。

またこれらの組み合わせで表れることもあり、滑舌の悪さとも合わさるなど症状は様々で、人とのコミュニケーションに苦労する場面がしばしばあります。詳しくお知りになりたい方は、日本財団のhttps://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2023/95727/disabilityや国立リハビリテーションセンターのhttps://www.rehab.go.jp/ri/departj/kankaku/466/2-1/をお読みください。

私は幼少期から3つの症状全てがあり、現在まで続いています。
「うまく喋れたらいいな」と時々思いますが、今まで特に治療や矯正を受けたことはなく生活を送っています。

今回はそんな私の日常を少しだけ紹介させていただきます。
先ほど、症状は様々と申しましが、私は「あ行とさ行」が組み合わさる言葉が苦手です。「?」と思うかたが大半だと思いますでいくつかご紹介しますね。

例えば「足(あし)」「明日(あした)」「椅子(いす)」「石(いし)」「うさぎ」「餌(エサ)」「オセロ」…といった言葉です。あげればキリがないのですが、なんとなくご理解いただけるでしょうか。
これらの言葉を話そうとすると「あああ足」「あし、あし、明日」「いーーーす」といった具合に吃音になりやすいのです。

しかし、不思議なことに「足」だけでは吃音になるのですが「両足」とあたまに「りょう」を付けることで、続く「あし」がスムーズに喋れたりします。これは吃音者それぞれに技が異なると思いますが、言葉を少し加工したり置き換えたりして日常を乗り切っています。

他には
「あした」→「みょうにち」
「石」→「小石」「小さい石」
「うさぎ」→「野うさぎ」「白いうさぎ」
「餌」→「動物の食べ物」
といった具合です。

しかし、困るのはこの技が使えない場合がたくさんあります。その場合には、人の助けをかりるという大技を使うこともしばしばあります。ますます「?」ですよね。例えば、、、

「オセロ」→「ほら、白と黒のひっくり返すゲーム」→「えっ、オセロのこと?」→「そうそう。それ」
といった具合に、言葉をド忘れした雰囲気を出しつつ相手に助けてもらう感じです。

とても理解が難しいと思いますが、吃音の症状と日常の一例をあくまで私の事例を通じて知っていただけたら嬉しいです。
この記事を読んでいただいた方の中には、吃音でいじめに遭い苦しまれている方、子供が吃音になってしまい将来を不安に感じている親御様などいらっしゃるかもしれません。吃音で重く悩まれお辛い状況の方に向けて、お役に立てる情報を今後も時々を発信していこうと思います。

吃音の方もそうでない方も、最後までお付き合いいただきありがとうございました。次のブログでまたお会いしましょう!

投稿者プロフィール

掛川 恵二
掛川 恵二くれたけ心理相談室(大和支部)心理カウンセラー
カウンセリングを重ねることで、あなたの杖として歩みを支え、提灯になり足元の段差を照らし、旅を進めるための安心道具のひとつになれたら嬉しいです。

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